小説のように読んでほしいフィクション
私が悲しみについて考えるようになったのはつい昨日のこと 実家の犬が死んだ もちろんと言ったらドライ過ぎるけど その際に立ち会えなかった 仕事が忙しかったと言えばそうだが 目の前のタスクに追われて 病に伏す彼女の住む実家からは足が遠のいていた 家に…
カーテンは閉めたまま まだ薄暗いキッチン 背もたれのない木の椅子に座り一息 コーヒーメーカーがコポコポと音を立てている パンとミルクを切らしている事に気づいたが 仕方ないかと諦めた 昨日悲しい事があったせいだ 唐突に命について考えさせられる そん…